「野性の証明」1978年
国家権力によって比類ない殺人技術を叩きこまれた男が、一人少女のなかに、自らの人間性の回復を託そうとする男の姿を描く森村誠一原作の映画化。
角川映画第三弾。脚本は「日本の首領 完結篇」の高田宏治、監督は「人間の証明 Proof of the Man」の佐藤純彌、撮影は「順子わななく」の姫田真佐久がそれぞれ担当。
作品紹介・キャスト
【ストーリー】
一九八〇年。過激派の人質となった米国大使を自衛隊特殊工作隊が救った。味沢岳史はその中でも抜きん出た優秀な隊員だった。味沢が東北山中の単独踏破訓練中、飢えと疲労の極限で、越智美佐子に出会った。彼女は獣のような味沢の惨状を見て、救助を求めて集落へおりて行った。その時、大量虐殺事件が発生した。五戸十二名が惨殺され、その中には彼女の死体もあった。駈けつけた北野刑事は、ハイキング中に凶行の巻添えにあったと断定した。集落唯一の生存者は、十三歳になる長井頼子という少女だけだったが、彼女は恐怖のあまり記憶喪失になっており、「青い服を着た男の人……」と呟くだけだった。月日が流れた。味沢は、事件後、除隊して羽代市で保険外交員をしていた。そして、記憶を失った少女、長井頼子を養女にして暮らしていた。羽代新報の記者、越智朋子は交通事故の現場にいた。沼底から引き上げた車の中に同僚の立山の死体があった。警察はホステスの明美と同乗していた立川の酒酔運転による事故として処理した。明美の死体は見つからなかった。朋子は事故とは思わなかった。この羽代市は大場総業会長大場一成に支配されており、立川はその不正を暴露するメモを持っていたからである。明美には六千万円の保険がかけられており、味沢はその夫、井崎と一週間前に保険の契約を済したばかりだった。井崎は大場の忠臣と言われる中戸組の幹部であった。事故現場で越智朋子を見た味沢はショックを受けた。彼女は美佐子に瓜二つの妹だった。保険金の支払いの責任を負わされた味沢は事件の調査を始めた。数日後、味沢は暴走族に襲われていた朋子を救い、二人の仲は接近する。暴走族のボスは大場の長男、成明である。警察に保存されていた事故車から提防のコンクリート片を見つけた味沢は、中戸組の提防工事現場で明美の死体を見つける。
(出典:映画.COM https://eiga.com/movie/39823/)
【キャスト】
監督:佐藤純彌
出演者:高倉健 , 薬師丸ひろ子 , 中野良子 ほか