「わんわん物語 (リバイバル)」1956年
ウォルト・ディスニー製作によるシネマスコープ長編漫画の第一作。
新聞記者上りのユーモア作家で最近物故したウォード・グリーンがこの映画のために書き卸した物語から、犬の世界のさまざまな出来事を笑いとペーソスとロマンティシズムを混えて描くテクニカラー作品。
製作補佐アードマン・ペナー、監督はハミルトン・S・ラスク、クライド・ジェロニミ、ウィルフレッド・ジャクソンと三名の共同、主題歌作詞・作曲は歌手のペギー・リーとサニー・バーク、音楽は「不思議の国のアリス(1951)」のオリヴァー・ウォレンス。
日本語版製作に当ってはディズニー撮影所技術部長ジョン・A・カッティングが来日、「ダンボ」の経験を活かし、立教大学の女子学生で全く素人の宝田薫、俳優小林桂樹、三津田健、落語家古今亭今輔、声優里見京子など多彩な声のタレントを動員、一年余を要して完成した。
作品紹介・キャスト
【ストーリー】
ニューイングランドに住むダーリングへのクリスマスプレゼントとしてディア家にやってきたコッカー・スパニエルのレディ。夫妻の愛情を一身に受けていたが、二人に子供が生まれる。レディは変化に戸惑いつつも赤ちゃんを見守る。
ある日、夫婦の旅行中に赤ちゃんのベビーシッターとしてセーラおばさんがやって来た。猫好きで犬嫌いの彼女はレディを邪険に扱う上に、勝手に連れてきたペットの猫のサイとアムがしでかした悪戯をレディがやったと決めつけ「赤ちゃんを襲う猛犬」と見なして口輪を嵌めようとため家を飛び出したレディは、野良犬のトランプに助けられる。
生まれも育ちも異なる2匹であったが、やがて互いに惹かれ合うようになる。しかし、レディが保健所に捕まってしまい、さらにそこでトランプのプレイボーイ振りを彼の仲間の野良犬達から聞かされ愕然とする。その後セーラおばさんに引き取られ家に帰るも外の犬小屋に繋がれてしまったレディは、怒りのままに彼女を心配してやって来たトランプと口論になり追い返してしまった。
その直後、レディは巨大なネズミが雨樋をつたって半開きの窓から子供部屋に侵入するのを目撃。必死に吠えてセーラおばさんに知らせようとするも煩いと言って取り合おうとしない。そこへ異変に気づいたトランプが慌てて戻って来て事態を把握すると、綱をかみ切ったレディと一緒にポーチの犬用ドアから部屋に飛び込み、ベビーベッドに上がりこんだネズミを捕まえ激闘の末に退治したため赤ちゃんは間一髪で無事だった。ところが騒ぎと泣き声を聞いて現れたセーラおばさんはトランプが赤ん坊を襲おうとしたと思い込み、箒でクローゼットに閉じ込めると保健所に連絡を入れ引き渡してしまった。
そこへ帰宅した夫婦が何があったのか尋ねると、ひたすらわめくセーラおばさんを余所にレディは二人を子供部屋へ連れて行き、ネズミの死骸を見せてトランプの潔白を証明する。
全てを悟った夫婦はレディと共に急いで保健所の馬車を追いかけ、話を聞いたジョックとトラスティも手伝いトランプは救出された。
その年の冬。ディア家では新たに飼い犬となったトランプと結ばれたレディ、そして2匹の間に生まれた子犬達が少し大きくなった赤ちゃんと夫妻と一緒にクリスマスをお祝いしているのだった。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【キャスト】
監督:ハミルトン・ラスケ
出演者:(声)ペギー・リー , (吹替)宝田薫 ほか